電車には少しずつ慣れていきました。
1,2両目には乗れなかったけれど、
快速には乗れるようになりました。
少しずつではあるけれど、
事故の辛い現実を受けとめ、乗り越えていこうとしている自分がいました。
胸の中の辛く苦しい気持ちが完全になくなったわけではなかったけれど、
「時間が経てば普通の記憶と同じになる」
という先生のお言葉を信じていました。
事故の前には戻れません。
戻ってきた日常は、以前と形を変えてしまったけれど、新しい日常に少しずつ慣れていこう。
そう思っていました。
そして、それは上手く行っているかに思えました。
私の毎日は忙しいものでした。
仕事に学校、毎日の家事。
日々時間に追われ、睡眠時間を確保するのが難しいほどでした。
事故から5ヵ月後の9月には、仕事もピークを迎え、毎日遅くまで残業する日が続きました。
9時、10時まで残業し、帰ってきて夕飯を作り、
学校の宿題を仕上げ、週2回は学校へ通う・・・。
目の回るような忙しさでした。
人としゃべるのが億劫になり、
目の前にある仕事や宿題に黙々と取り組むようになりました。
そんな中で私にある異変が起きました。
朝起きると全身筋肉痛になっていたのです。
前の日に運動をした覚えはありません。
不思議なことでした。
この頃から早期覚醒も始まりました。
悪夢を見たわけではないのですが、朝の4時や5時に目が覚めるのです。
夜寝るのが遅いのに、早期覚醒してしまう。
その代わりに電車の中で爆睡してしまうことも多々ありました。
ほんの20分の車内で、意識が完全に飛んでしまうほど眠りこけてしまうのです。
そして、ひどい肩こりになりました。
しーちゃんはパソコンを常用している割に肩こりにならないのが自慢だったのですが、
肩が痛くて痛くて仕方ないのです。
そのうち、自分が空っぽになっていくような感覚を覚えました。
目の前にはやらなければならないことが山のようにあります。
学校は翻訳家になるために目標を持って入りました。
仕事も翻訳家になるためのキャリアをつけるために選びました。
いつもやりがいを感じていましたし、がんばっている自分が好きでした。
そんな気持ちが全くなくなってしまったのです。
空っぽな私・・・。
ただ目の前のことを淡々とこなす、機械になったような気分でした。
いつも眠く、人と話すのが億劫で、体は肩こりや全身筋肉痛で歩くのすら辛い・・・。
何かが変でした。
でもどこが変なのか分かりませんでした。
そんなとき、ふっと先生のことを思い出したのです。
先生に相談してみよう・・・。
何か根拠があったわけではありません。
心の病だと思っていたわけでもありません。
ただ、今の状況を先生に話してみよう、そう思ったのです。
おかしな思い付きだったかもしれません。
しかしこの思いつきは後から考えてみると
天が私に与えてくれたラッキーだったのです。 |
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