初めての病院



少しずつ、少しずつ私は壊れていきました。

眠れない、食欲がない、意味もなく心臓がどきどきする。

急行に乗れない、電車が怖い、暗闇の中、一人でいられない。


朝早く起きて乗る振り替え輸送電車。
私と同じように、振り替え輸送して乗っている人々の疲れた顔・顔・顔。


そんな私の変化に気が付いたのは仲のよい同僚でした。


「最近ちょっとやつれてない?」


誰にも話せず、自分でも意識していなかったこともあったけれど、
ぽつり、ぽつりと今の現状を話しました。

電車が怖い。
眠れない。
一人で家にいるのが辛い。

「もしかしたら精神系の病院に行った方がいいかもよ?
お薬で楽になることもあるし。」

藁にもすがる思いでした。
お薬で楽になれるなら、その力を借りてもいいかもしれない。

そう思うほど、私は何時の間にか追い詰められていました。


「行ってみようかな・・・」


事故から数週間。
私は病院へ行く決意をしたのです。


病院は、家の近くの病院を探しました。
これから通院するかもしれないことを考えて、その方が便利だろうと思ったからです。

楽になりたい。
今の状況から脱したい。

その一心でした。


家の近くに小ぎれいな病院を見つけました。
ホームページがあって、丁寧に診察などについて紹介されています。
すぐにアポを取って、行ってみることにしました。


精神科の病院へ行ったのは初めてでした。
見た目は普通の診療所のような感じ。
待合室で待っている患者さんも普通の病院と同じような感じに見えました。
アポを取って行ったけれど、待合室には人が溢れていて、30分ほど待たされました。


ようやく私の名前が呼ばれました。


診察室は、待合室同様綺麗なところでした。
先生は私の話を少し聞くとこう言いました。

「電車に乗るとドキドキする?」
「はい。」
「パニック障害ですね。お薬を出しておきます。」


じゃぁ、次・・・とは言わなかったけれど、
私は早々に診察室を出されました。


お薬をもらえる・・・。


ほっとしました。
でも、まだ何かが私の中でくすぶっていて、納得できない自分がいました。






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