振替輸送



事故当日、振替輸送をして帰ってきた私は、
事故の詳細を知ろうと、テレビの前に釘付けになりました。

嘘であって欲しかった真実。

でもやっぱり事故は起こっていて、
私は現実を受け止めざるをえませんでした。

次の日から阪急での振替輸送が始まりました。
痛いほど人が詰め込まれた車内は異様な雰囲気でした。
無理もありません。
阪急とJRで別れて乗車していた人が、
阪急電車1本に押し込まれることになったのですから。

阪急の人は「もう乗らないで」と思い、
JRの人は「仕方がないから許して」と思い・・・。

これ以上もう1人も乗れないと思うところに
まだまだ人が乗り込んでくる・・・。

そんな通勤が始まりました。


振替輸送1日目の朝。


阪急梅田駅の改札には、
トレードマークである白い制服を着たJR職員の方々が改札に立っていました。


「ご迷惑をおかけしております」
「申し訳ありません」


頭を下げながらの改札。
白い制服が痛々しくて、見ていられませんでした。


帰りの電車も振替輸送。
行きよりは少しマシになっていますが、
やはり定員オーバーの乗車率。
痛みをこらえながらの乗車。


振替輸送の日々が始まったのです。


2日目から少し変わったことがありました。
梅田駅でのJR職員さんが白い制服ではなく、全員黒っぽい背広に変わったことです。
もしかしたら誰かからクレームが入ったのかもしれません。
白い制服を見たのは、初日だけでした。

それもまた痛々しくて、なんとも言えない悲しい気持ちになりました。


事故が起こったなんて・・・。
誰か嘘だったと言ってください・・・。


でも、事故は現実に起きていて、
こうして私の生活にも影響が出ている・・・。


2日間、振替輸送の電車に乗りました。
でも、あまりの痛さに、これ以上、通常時間での通勤を断念することにしました。
朝、6時40分の最寄駅発の電車に乗ることにしたのです。
いつもより起きる時間が1時間早くなりました。
会社へも1時間早く着きます。
ただでさえ悪夢のため寝れてない体。
でも、あの満員電車に乗る気は起きませんでした。
何よりも「急行」に乗るのが怖くなったのです。


怖くて、怖くて乗れない・・。


時間をかけて「普通」に乗っていくことにしました。


毎日見る悪夢。
毎朝乗る振り替え輸送。


私は心身ともに壊れていきました。






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