日常


自分が生きて行くことの意味が分からないまま、
私は淡々と毎日を過ごしました。

朝7時に起きて会社へ行き、
17時半には仕事を終えて家路に着く。
夕食を作り、お風呂に入って寝る。

ただ、それだけのことを繰り返す毎日でした。

一切の感情は消えうせ、
何も考えずに、ただただ漫然と毎日を過ごしました。



夏が過ぎ、秋になって、正社員への転職活動が本格化しました。
書類選考に受かり、面接を受けに行く日々。


この頃から私は少しずつ変わり始めました。


「この会社に受かったら、こんな風に働いてみたい。」


そんな未来の展望を想像することができるようになったのです。

受けては落ち、受けては落ちの繰り返しでしたが、
未来のことを考えるのは楽しく、

「正社員になったら産休もあるから、子供を産もう」

なんてことも考えるようにもなりました。


少しずつ回復に向かっていたのかもしれません。
真っ暗なトンネルの中にいた私に、
「希望」という名の一筋の光が差し込んできたかのようでした。


2008年1月。
とうとう、採用が決まりました。

嬉しくて、嬉しくて、
何人もの友達にメールを出したりしました。


正社員で働ける!
安定した職に就くことができたんだ!


私の心は喜びで満ち溢れていました。


思えばずっと派遣社員という立場に満足していなかったのかもしれません。

社員との待遇の違い、
使い捨てのような扱い、
不安定な立場・・・。

誰かに「○○製薬で働いています」と言うと、
必ず「すごいね。大企業で働いてるんだね」といわれるほど、
大手の製薬メーカーで働いてきました。
でも、その次に「派遣社員としてですけど」と言ったときの、相手の顔・・・。

それが私に劣等感を与えていました。

大好きな翻訳の仕事ではあったけれど、
社会的には認められていない自分に満足していませんでした。
自分の置かれている立場の不安定さを痛感せずにはいられませんでした。


就職が決まった会社は、決して有名な会社ではありません。
いわゆるベンチャー企業だったけれど、

「正社員としての採用」

ということの方が、私にとっては大事でした。


もう使い捨てじゃない。
堂々とここで働いていますと言える。


それは、ずっと自分の居場所を探していた私にとって、
大きな大きな一歩となったのです。






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