休職



翌日、処方箋をもらいに行くため、病院へと足を運びました。
家から病院までは片道1時間半の道のりです。
とてつもなく遠く感じました。
あまりにも疲れてボロボロになった私を見かねて、
あきさんがついて来てくれました。


病院へ向かう電車の中で携帯が鳴りました。


「もしもし」
「もしもし、営業担当の○○です」
「いつもお世話になっております」
「昨日企業様とお話をさせていただいたのですが
会ってお話できないでしょうか?」


会ってお話・・・。
嫌な予感がしました。
もし休職してもよいというお返事ならば、
すぐに電話で伝えてくれるのではないでしょうか。
いいにくい、重大なことだから、
会って話をしたいと言っているのではないか・・・

そう思えてなりませんでした。

今すぐ電話で話を聞きたいと思いながらも、
私にはそれができませんでした。
疲れきった私にはそれをどのように言葉にしてよいのかわからなかったのです。
それ程までに私は疲労しきっていました。


もしかしたらクビになるのかも・・・


ただその思いばかりでいっぱいで、
頭が回りませんでした。


電話を切ってすぐに病院へ到着。
今回は処方箋をもらうだけなので、
先生との診察はない予定でした。

受付で処方箋をもらい、帰ろうとしたとき、
受付の奥にいた先生と目が合いました。

先生はすぐ私に気づき
「どうですか?」
と声をかけてくれました。

その瞬間です。
私の目から大粒の涙が零れ落ちました。
今まで我慢していた何かが堰を切ったかのように
次から次へと溢れてきたのです。
自分でも驚くほど、
ものすごい勢いで涙は流れつづけました。

先生はすぐに出てこられて、
診察室へ連れていってくださいました。


「もしかしたら仕事、クビになるかもしれません」


そういって泣く私の話を先生は時間をかけて聞いてくださり、
話しているうちにだんだん落ち着いてきました。

疲れ果てている上に、会社や派遣元とのやりとり。
クビになるかもしれないという不安。

これらが随分負担になっていたのだと気づきました。


もう、仕事のことは考えないようにしよう。


そう思いました。
クビになってしまったらそれはショックだけど、
今の状態では本当に1ヵ月後に復職できるかどうか分かりません。


とにかく今は休むことだけを考えよう。


そう思ったのです。


先生と話すことで、何かが吹っ切れた気がしました。






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