戦い2



1週間後。

検査の結果が出ました。
甲状腺の病気ではないとのことでした。
これで私に起きている様々な症状がウツによるものだということが確定しました。

「ゆっくりお休みしよか」

と先生はおっしゃいました。

「仕事を1ヶ月お休みしてください」

1ヶ月も・・・。
もしかしたらクビになるかもしれません。
しーちゃんは派遣社員です。
1ヶ月休ませてもらえる保証はどこにもありません。

「2週間では駄目ですか?」
「うーん・・・1ヶ月・・・やねぇ」

ふと、婦人科系の病気で1ヶ月休職した派遣社員さんがいるのを思い出しました。
しーちゃんも休ませてもらえるかもしれません。

「分かりました。会社にお願いしてみます。」


先生はすぐに診断書を書いてくださいました。
(診断書は無料でした。)

会社を本当に休ませてもらえるかどうか不安ではあったけれど、
これで毎日機械のように空っぽなまま働かなくてもよい、休める、
と思うと、ほっとしました。
このとき初めて自分がいかに疲れきっていたかを認識しました。


診察の最後に先生はおっしゃいました。


「仕事なんかの忙しさだけやなくて、
事故があって、通勤が負担になってたんかもしれんね」


この診察を受けたとき、事故から5ヶ月がたっていました。
でも、私の心はまだ事故の影響を受けていました。
普通に何事もなく電車に乗れているとは言いがたかったのです。

仕事、学校、家事のストレス。
それに加えてあの電車に乗らなければならないというストレスもあったのだと思います。



病院を後にしながら私は疲れきった体を引きずって家路につきました。
診断名がハッキリしたことで少し安心はしたものの、
会社にこのまま雇ってもらえるかどうかという心配がありましたし、
ウツという病気に対する知識がなかったため、
どのように治療が行われ、回復していくのか分かりませんでした。


不安な気持ちを抱えたまま、
とりあえず会社と派遣元に電話をしました。
これから1ヶ月の休養が必要であると診断されたこと、
これからの業務をどうしていくかについて・・・。
すぐには結論の出ないことなので、
とりあえずは会社をお休みするということでその日の電話は終わりました。


とにかく疲れていました。
体がだるくて鉛のようです。
でもまだ会社のことが残っている・・・。

休めるかどうか分からない。
もしかしたらクビになるかも。

そんな不安を抱えながら、

「まだまだ戦いは続くなぁ」

とぼんやり思いました。
このときの私にとって、
何かを考えたり判断したりするということは
とても骨の折れることでした。

会社とのやりとり。
派遣元との話し合い。

それら全ては当時の私にとっては「戦い」としか思えなかったのです。






TOPページへ